川井浄水場での小水力発電
A. Case Study Overview
- 1. 事業名/ Activity/ Project Title:
- 川井浄水場での小水力発電
- 2. テーマ/Themes:
- Climate Change, Infrastructure, SDGs
- 3. 要旨/Summary:
横浜市水道局は太陽光発電や小水力発電設備など再生可能エネルギーの導入を推進している。その一つとして、川井浄水場は高低差によるエネルギーを利用した小水力発電を行っており、2018年度実績では年間約178万kwhを発電し、約847トンのCO2排出量削減効果となった。
- 4. セクター/Sector:
- City : 横浜市水道局
- 5. 実施期間/Implementation Period:
-
(建設)2009年~2010年3月 (運転)2010年4月~
- 6. 実施場所/Project Site :
- 横浜市水道局川井浄水場
- 7. 関係機関/Stakeholders&Partners:
B. Objective:
- 8. 目的/Objectives:
-
導水施設の高低差による水力エネルギーの有効活用
(省エネ、電力料金削減)
C. Activities
- 9. 活動プロセス/Activities:
-
本事業では、上流にある相模原沈殿池と川井浄水場の高低差(約21.5m)を活用し、浄水場内で小水力発電を行っている。水力発電は、天候の影響をうけにくく、また、発電地点は上水道施設で常に水が流れているため安定した発電が期待できる。
発電設備の詳細は、以下のとおり。
発電施設数:2基
発電方式:ダム水路式
水車形式:横軸円筒プロペラ水車
最大使用水量:一基あたり2.4㎥/s
発電容量:一基あたり135kw
D. Challenges and solutions:
- 10. 課題/Challenges and solutions:
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浄水場内水力発電所を建設し、そこで発電した電力を場内で消費することでCO2排出量及び電力コストを削減する。
E. Outcomes and Impacts:
- 11.成果・影響/Outcomes&Impacts:
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小水力発電の導入により、次のとおり成果があった。
発電量:178万kWh/年(2018年度)
- *一般家庭の電力使用量の約598軒分に相当
CO2排出量の削減効果:約847トン - *杉の木約60,500本の年間CO₂吸収量に相当
(農林水産省関東森林管理局HP「森林の二酸化炭素吸収力」の記載をもとに、杉の木は1本あたり0.014トン/年のCO₂を吸収するものとして計算。
https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/saitama/knowledge/breathing.html)
※なお、横浜市の水道事業全体においては、川井浄水場の他に配水池など、計6か所で小水力発電を導入しており、2017年時点の年間予想発電容量は、402万5千kWh、CO2削減量は1,956トンとなっている。
※横浜市水道局の浄水場では、太陽光発電も行っており、場内での発電により浄水処理に係る電力使用量の一部をまかなっている。また、ろ過池、沈殿池に太陽光発電設備を設置することにより、カビ臭の原因となる藻類の発生を抑制する役割も果たしている。
- *一般家庭の電力使用量の約598軒分に相当
F. Budget:
- 12. 予算/Budget:
-
\ 343,000,000
- 13. 財源/Source:
- 水道料金収入及び補助金