【ITTO】専門的熱帯林業の技術を活用した地球規模課題解決の取組

A. Case Study Overview

1.  事業名/ Activity/ Project Title:
【ITTO】専門的熱帯林業の技術を活用した地球規模課題解決の取組
2.  テーマ/Themes:
Climate Change, SDGs
3.  要旨/Summary:  

ITTOの管理組織である国際熱帯木材理事会(International Tropical Timber Council、ITTC)は、2021年11月29日から12月3日かけて開催された第57回理事会にてシャーム・サックル氏を新ITTO事務局長に全会一致で指名。サックル氏はおよそ50名の候補者の中から選出された。

<活動目標>
1. 積極的に資金源を探り、国際熱帯木材協定2006年(ITTA, 2006)に基づくITTOの活動に有効性を持たせ、地球規模課題の解決に寄与する。

2. ITTOの加盟政府の全面的な支援を得る。

3. 熱帯林業にかかる技術専門性を有す唯一の機関としてのITTOの地位を国際場裏において拡大させる。

4.  セクター/Sector:
Organization : ITTOに加盟している全74の国と地域
5.  実施期間/Implementation Period:

1989年 ~

6. 実施場所/Project Site :
ITTOに加盟している全74の国と地域
7.  関係機関/Stakeholders&Partners:
ITTOに加盟している全74の国と地域、その他の国際機関又は政府間組織、市民社会、木材貿易機関、等

B. Objective:

8.  目的/Objectives:
次を促進する:
1) 持続可能な方法による管理を経て合法的に収穫された熱帯木材の国際貿易における拡大と多角化
2) 熱帯木材生産林の持続可能な経営

C. Activities

9.   活動プロセス/Activities:

ITTOは次に取組んでいる:

  • 持続可能な森林経営(sustainable forest management:SFM)と熱帯木材産業及び貿易を促進するための政策ガイドラインや規範を作成し、国際的な合意を図る。
  • 熱帯加盟国がこのようなガイドラインや規範を各国の状況に応じて取入れ、プロジェクトを通じて現場で実践できるように支援する。
  • 熱帯木材の生産と貿易に関するデータの収集、分析、普及を行う。
  • 持続可能な熱帯木材サプライチェーンを促進。
  • 熱帯林業分野のキャパシティ・ビルディングや研修を拡大する。

次のようなプロジェクトをアジア太平洋地域で実施中である:メコン準流域における持続可能なチーク林の経営、ベトナムにおける持続可能な国内木材消費、マレーシア・サラワク州の上流バラム森林地域の経営、保全、持続可能な開発(本年中に開始予定)、インドネシアの森林火災管理と防止に関するキャパシティ・ビルディング。この他、カンボジア、フィジー、ミャンマー、パプアニューギニア、フィリピン及びタイでプロジェクトが終了済み又は終了予定である。

ITTOのホームページにて活動写真が閲覧可能である:www.itto.int/projects_photo_gallery/
ITTOホームページからITTOのロゴがダウンロード可能である: www.itto.int/resources/logos/

D. Challenges and solutions:

10.  課題/Challenges and solutions:

熱帯林業や熱帯木材及び木材製品は、主に次に示すような課題に直面している:
金属、コンクリート、プラスチック、熱帯地域以外の木材との市場シェア争奪戦から抜け出せない状態である。熱帯林業が森林減少を招いているとの認識が根強く、参入を阻んでいる市場もある。持続可能な熱帯木材の収穫で森林は減少しないという消費者の理解を勝ち取ることが最大の課題である。
その他の課題として次が挙げられる:持続可能な熱帯林業を気候変動緩和・適応の中心対策に据えること、気候変動に対抗し持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)、特にゴール1(貧困をなくそう」、ゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)、ゴール8(働き甲斐も経済成長も)、ゴール9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、ゴール12(つくる責任 つかう責任)、ゴール13(気候変動に具体的な対策を)、ゴール15(陸の豊かさも守ろう)及びゴール17(パートナーシップで目的を達成しよう)の達成に資する有効な手段としての持続可能な方法で生産された熱帯木材製品の消費を増やすこと、熱帯地域においてSFMを実践するに足る財源を確保すること、熱帯地域における持続可能な林業分野でのITTOの主導的役割を拡大させるためのITTO全加盟政府の支援と関与を拡大させること。

E. Outcomes and Impacts:

11.成果・影響/Outcomes&Impacts:

ITTOは35年以上の経験を有する行動・フィールド指向型の国際機関である。これまでに1,200件以上のプロジェクトやその他の活動に対する支援や資金協力を行っており、その協力額は4億3,000 万米ドルに上る。その取組はSFMに関する様々な領域に渡り、森林再生、木材利用の効率性、木材製品の競争力強化、熱帯木材貿易および熱帯木材のサプライチェーンにおける市場情報や透明性、森林法施行とガバナンス、違法伐採、生物多様性保全、気候変動緩和・適応、非木材林産物と環境サービスがもたらす寄与、森林に依存する地域住民の生計向上等が挙げられる。

9.で述べたプロジェクトの具体的な成果は次の通り:

  • 持続可能なチーク材サプライチェーンの整備(メコン準地域の地域住民の生計向上につながっている)。自然チーク林は中央・南インド、ラオス、ミャンマー及びタイにまたがる約2,900万ヘクタールの広さの地域に広がっている。
  • 日照り続きの状況や熱波によって深刻化する森林火災は、森林の減少と劣化を招く大きな原因となっている。インドネシアにおける火災管理プロジェクトは、森林火災が特に起きやすい南スマトラ州、中部カリマンタン州及び南カリマンタン州の3州で全ての利害関係者の関与を得て実施中である。期待される成果として、森林火災とこれに関係のある森林減少の削減、火災の防止と管理、早期警戒に関する手順、消化能力と早期警戒能力の向上が挙げられる。
  • マレーシア・サラワク州にあるハート・オブ・ボルネオ(Heart of Borneo)では、2010年、土地所有権の問題の解決と生計向上を目的として、ペナン族の18のコミュニティが上流バラムに総面積28万3,500ヘクタールの森林が広がるペナン平和公園(Penan Peace Park:PPP)を設立した。本プロジェクトは、統合森林経営計画を作成し、様々な土地利用がなされている地域の区割りによる森林保全の強化、持続可能な経済的生計手段の導入、山村地域の行いや慣習の改善を目指している。
  • ベトナムにおけるプロジェクトは、規制枠組の改善に向け、イニシアティブやプロセスを促進し、関係者が木材サプライチェーンに効果的に携われるようなキャパシティ・ビルディングの実施により、加工産業向けの木材輸入への依存に取組む予定である。

F. Budget:

12. 予算/Budget:

13. 財源/Source:

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